地球人日記

大学5年生。世界各地で考えたこと、経験したことをゆるく発信していきます。

求婚されました。ケニア人男性から「牛500頭でどう?」

 

Jambo!(スワヒリ語でこんにちは)

今日は大学生の私がケニアで求婚されまくった話です。

 

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私だけの牛価レート

 

 10 ↗︎ 12 ↘︎ 2 ↗︎ 30(+10) ↗︎ 500

 

 

これ、なんの値の変化か分かりますか?

 

 

 

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タイトルから察してる人もいると思いますがそうです、求婚の際に提示された牛の数です。わたくし大塚まゆ奈の牛価レートでございます。

  

牛10頭 ↗︎ 牛12頭 ↘︎ 牛2頭 ↗︎ 牛30頭(+ヤギ10頭) ↗︎ 牛500頭

 

こういうこと。

 

 

一番最初の求婚者は通りすがりのお兄ちゃん。

「おねえちゃん!牛10頭あげるから結婚してよ!」って。

 

次は農家のおじちゃんから牛12頭のオファーが!あら、これは待ってればどんどん上がるかもしれない!

 

と思ったら次はお肉屋で会ったお兄ちゃんが牛2頭でどう?って。え、そんな下がるの!?わたし先週は12頭で求婚されてるし2頭とかなめないでよ!って気分。めっちゃ萎えた。

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↑その日インスタのストーリーにあげてたやつ。よっぽどショックだったんだのでしょう。

 

次は変化球。なんと牛30頭に加えてヤギ10頭もあげるよ!と村のおじさんが。え、キタァアア!牛2頭からの大挽回!そろそろここで承諾しとく?みたいな気分

 

と、喜び回ってたら「いやいや、ぼくと結婚したら牛500頭あげるのに」って村のお兄さんが。ちょっと待ってーーーー、すごい。想像をはるかに超えてきた牛の数に脱帽。22歳の小娘は大パニック。いつもなら「私が結婚するのにその牛の数じゃ足りないよ😊」って断ってたのに、あれ〜私本当にここで結婚した方が良いかも〜って結構本気で思いました、、間違いなく私のピークだよなぁ色んな意味で🤔

 

 

 

結婚したかったら男は黙って牛を差し出せ

結婚とか牛とか意味わからないんだけど何の話?

って人に向けてケニアの結婚事情について少し。

 

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ケニア農村部での渋滞はこんな感じ

 

 

ケニアでは、結婚の際には新郎が新婦の家族に牛を差し出す習慣があります。

 

ポイントは新婦にプレセントするのではなく、新婦の家族にプレゼントするってとこ。

結婚するまでに、娘さんを育ててくれてどうもありがとうございました!!っていう感謝の意を込めて新婦のお母さん、お父さん、叔母さん、叔父さん、お婆ちゃん、お爺ちゃん、従兄弟、、と色んな人に牛を渡すわけです。

 

新郎「あなたの娘と結婚したいです!牛は○○頭用意します。」

新婦の家族「それじゃあ足りないなぁ」

新郎「じゃあ○○頭用意します!」

新婦の家族「おぉ、いいね。おっけい!娘を嫁にやるよ!」

 

って感じで交渉成立したらめでたく結婚です。

ちなみにあまりに見当違いな牛の数を要求されたり、約束の牛の数を用意できなかったり、交渉に疲れて結婚やめる人もいるらしいです。

 

 

 

一体牛何頭必要なの!?女性の価値=牛の数

牛の数は交渉次第。だけどそもそも相場何頭だよ?!ってなりますよね。

 

そーれはね。部族によって違うらしいです。やっかいですね。

 

牛10頭 ↗︎ 牛12頭 ↘︎ 牛2頭 ↗︎ 牛30頭(+ヤギ10頭) ↗︎ 牛500頭

私のこの牛価レートのこの前半部分はルオ族の方からの求婚でした。ルオ族の現在の主な生業は農耕です。なのであまり牛持ちではありません。

私が一緒に働いていたルオ族の方々によると、「牛2頭で結婚を申し込む人もいるし、10頭もあればかなり良い方。」らしい。

 

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一緒に働いていた大好きなルオ族の仲間たち

 

牛10頭 ↗︎ 牛12頭 ↘︎ 牛2頭 ↗︎ 牛30頭(+ヤギ10頭) ↗︎ 牛500頭

じゃあこの最後のぶっ飛び500頭をオファーしてくれたのはだれ!?

それは、、かの有名なマサイ族の人です。彼らは遊牧で生計を立ててる伝統的な遊牧民で、牛の保有数でその人のステータスが決まります。基本他の部族より牛持ちです。ナイロビのタクシーの運転手さんによると「マサイ族はケニアの牛は全てマサイのものだ!と考えてる人が多いからあいつらすぐ他の部族の牛盗むんだよね、、まじ困る、、」らしい。牛耳っていますね。牛だけに。(言いたいだけ)

そしてマサイ族出身の女性によると、マサイ族は文字通り牛持ちなので「牛100頭渡すのは普通。あなたはとても美しいし、教育も受けてるし、外国人でもあるから500頭くらいもらって妥当」とのこと。hmm。なるほど。

 

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私が求婚されたのはシティマサイ(この伝統的格好をしていないマサイ)だけどね。

 

そう、お気付きの方もいると思いますが牛の数は部族によっても変わるし女性の‘価値’によっても変わるのです。

 

教育を受けている女性はその分だけ親からの支援(学費とか)を受けていたということになります。=価値が高い

外国人がケニアの田舎に嫁ぐ事は珍しいのです。=価値が高い

なのです。よって大学に通っていて日本人である私はめでたく価値が高い花嫁認定されました。そして平均牛100頭を用意するマサイ族にもまゆ奈には500頭の価値がある!!と言ってもらえたのです。

 

 

 

この結婚制度、実際どうなの?現地の人に聞いてみた

 

この結婚する際に牛を用意しなきゃいけない話が大好きで、ケニアに滞在していた時はよくこの話を友達としていました。実際みんなはこの結婚制度についてどう思ってるの?って聞きまくってたから、何人かの意見を紹介します。

 

ルオ族/20代/男性/遠距離恋愛

「今遠距離中の彼女がいるから、牛を用意するための貯金をしているところだよ。ちょっと大変だけど彼女の家族のためにも頑張れるよ。プレッシャーだけどね」

 

ルオ族/20代/男性/彼女あり

「え、日本では結婚する時牛用意しなくていいの!?OMGなんて良心的な国なんだ、実に羨ましいよ。僕はまだまだ牛の準備もできないし、結婚は遠そうだよ(ため息)」

 

ルオ族/20代/男性/彼女なし

「今は彼女もいないけど結婚なんて尚更まだまだしたくないよ。牛の準備とか交渉とかまじ大変そうだし男はつらいよ。So stressfulだよ。」

 

ルオ族/50代/女性/既婚

「娘は頭があまり良くなくて学校も途中でやめたの。だからはやく結婚して牛を連れてきてくれたらなぁと思ってるわ」

 

マサイ族/40代/女性/既婚

「私の夫はルオ族の人なんだけど、結婚の際は家族に大反対されて大変だったの。100頭もらうのが普通なマサイ族だから、お前の夫は10頭しか牛をくれないのか?!うちの娘をばかにしてるのか?!って大変な騒ぎだったのよ。「ルオ族は農耕民族だから牛はそんなに持っていないのよ。そういう文化なの」って家族を説得するの大変だったわ〜!」

 

と、まぁ男性の方々はこの制度に対してなかなかにプレッシャーとストレスを感じてるみたいでした。笑

 

女性は結婚して牛を家族に連れてくるのを期待されてるみたい。あと同じ国なのに違う部族と結婚するときのCulture differenceがあるの、面白いなぁ。

 

ルオ族とマサイ族以外の人たちにも聞いてみたかったなぁ!他の部族とか国の牛事情知ってる人とかいたら是非教えてくださいっ!興味ある〜

 

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ケニア版'将棋'を楽しむルオ族のおじさんたち。

 

まとめ

 

女性のみなさん!

是非自分の牛価レートを知りにケニアへ行きましょう!

  

男性のみなさんは牛の準備頑張ってください。🐄🐄🐄